多自然居住って何?

” 多自然(タシゼン)地域 ” (自然豊かな農村漁村など)で、自然に親しみ、自然に学び、その地域社会への貢献も図りながら、自然と共生する、ゆとりある新たなライフスタイルの創造を目指すものです。

具体的には、新・田舎暮らしともいうべきもので、自然あふれる地域での週末や余暇での『一時滞在』から『半定住』『定住』など多様なスタイルをイメージ しています。

自然と共に暮らす、ゆとりある新たなライフスタイルを

自然と共に暮らす、ゆとりある新たなライフスタイルを

兵庫県は日本海から太平洋にまたがる広大な県土を擁し、気候や風土が異なる多様な地域を包含しながら、個性豊かで多彩な都市と農山漁村から構成されています。

しかしながら、高度経済成長以降の瀬戸内海沿岸地域への人口集中は、都市の過密化と同時に農山漁村の過疎化を生じさせ、中には集落の維持が懸念される地域も出てきています。

こうしたなか、近年、都市住民の間で、自然志向、ふるさと志向が増えており、自然とのふれあい、人とのふれあいを求め、自然環境と調和したゆとりある住まい方への二一ズが高まりつつあります。

このような背景を受け、農山漁村で構成される「多自然地域」と都市において、各地域の個性を生かした新たな交流と定住・半定住の展開が図れるよう、自然と共生し、ゆとりのある多様なライフスタイルとしての『多自然居住』のまちづくりを提案します。

農山漁村と都市、それぞれの思い

【1】多自然地域=農山漁村で暮らす人々にとって

  • 都市との生活習慣の違いから起こりうる不協和音への不安がある。
  • 都市住民を受け入れることで、ふるさととしての景観が破壊されるのではないか、地域のコミュニティが失われてしまうのではないかという恐れがある。

【2】都市で暮らす人々にとっては…

  • 滞在、定住・半定住、就労、生活面などの情報や相談窓口が不足している。
  • 一時滞在や定住用の住宅・宅地が不足している。
  • 就労、医療、福祉、教育、生きがい、交通機関に対する不安がある。

基本理念

さまざまな形の「多自然居住」を推進することにより、自然環境と調和したゆとりある新たなライフスタイルの実現を促進し、こころ豊かな生活創造を図る。

そして、多自然地域と都市の双方が、参画と協働の精神のもとで、自然、歴史、文化など多自然地域の持つかけがえのない地域資源の保全と地域の課題解決に寄与する。

多自然居住を進めていく出発点

【1】互恵主義と対等主義の原則

都市に暮らす人々の視点だけに立つのではなく、多自然地域、都市それぞれの立場に立って公平に。

【2】多自然地域への貢献

都市に暮らす人々がこれまで培ってきた知識や経験を生かし、多自然地域の活性化や地域コミュニティの維持増進に貢献する。

【3】地域コミュニティとの調和を図る

都市からの移住者と地域住民の良好なコミュニティ形成を図る。

【4】住まいを自由に選択できること

多自然地域と都市、双方の住民が、それぞれのライフスタイルに合わせて、居住地を自由に選べるシステムづくりを進める。

多自然居住の多様なライフスタイルイメージ

多自然地域における多様なライフスタイルとしては、大きく7つのタイプが想定されます。

半定住型

週末滞在型

  • 都市に住み、多自然地域にセカンドハウスを持つ
  • 平日は都市に通勤し、週末は多自然地域でゆっくりと余暇を楽しむ
  • 生活基盤は都市に置く
  • 都会の情報や文化をもたらす
  • 多自然地域でのセカンドハウス、菜園などの管理等を地元に委託
マルチハビテーション型

  • 仕事と生活に余裕があり、多自然地域と都市の双方に住居を持ち、どちらの良さも味わえる
  • 季節ごとに多自然地域と都市とを行き来して、それぞれの暮らしを楽しむ
  • 都会の情報や文化をもたらす
  • 多自然地域でのセカンドハウス、菜園などの管理等を地元に委託

定住型

都市通勤型

  • 都市に近い多自然地域の豊かな自然の中でのゆったりした暮らし
  • 平日は都市に通勤し、休日は家庭菜園などの趣味を楽しむ
  • 若年層の人口増加、税収入増加などをもたらす
  • 地域の消費活動を高める。
テレワーク・SOHO型

  • テレワーク、SOHOで仕事をしたり、陶芸や染色などの芸術創作や作家活動を行う
  • 豊かな自然の中で生活を満喫
  • 従来の多自然地域にはない文化、情報などをもたらし、地域を刺激する
  • 地域の消費活動を高める
リタイア・年金生活型

  • 定年退職後の生活の場として、豊かな自然の中でゆったりとした田舎暮らしを満喫する
  • 都会育ちの子どもや孫たちに、新たなふるさとを提供できる
  • 知識、情報、人のネットワークを活用することで、地域に刺激をもたらす
  • ボランティア、NPO活動などを通して地域にとけ込み、それが本人の生きがいにもつながる
地元就業型

  • 既存集落内に居住し、家族と共に多自然地域へ生活基盤をすべて移す
  • 地場産業や農林水産業への就業、民宿、飲食店の開業など
  • 地域の一員としてとけ込み、都市部で得た知識や情報、人のネットワークなどを地域にもたらす
  • 地域を保つための労力を提供する

永住型

  • 老後も含め、地域社会の一員として永住
  • 自然豊かな多自然地域に住み、働き、地域を盛り立てる
  • 魅力あるふるさとづくりに積極的に参加し、中心となって活動する
  • 都市住民の受け入れ体制を組み立てる

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